
白木
初めて訪れた美容室でTさんに髪を切ってもらいました。
初対面で職業を聞くことはないというTさんが私の職業を尋ねたことがきっかけで、セッションをスタートすることになりました。
Tさん
「どんな人だろう?」って、白木さんにすごく興味があったんですよ。
仕事柄たくさんの人に出会いますが、白木さんは私が会ったことがないタイプの人で。
だから、白木さんのやっていることに興味がありました。
とはいえ気晴らしくらいの感じというが正直なところでした(笑)
センスダイアログをスタートした時は、自分の状態に無自覚でした。
かなり経過してから、あの頃の自分が実は精神的にも肉体的にも限界を迎えていたのだと気づきました。
自分では、自分自身のことを理解できていると思っていたのです。
事業が順調で結果も出せていたので、自分を上手く扱えていると思っていました。
例えば売上目標に対して自分をどう使うか、そんな風に自分を扱っていました。
白木
「自分をどう使うか?」とはどういう意味ですか?
「自分を活かす」とは違うのですか?
Tさん
今思えば、自分を道具化していたんですよ。
あの頃の私は、自分に対して冷酷だったなと思います。
だからいつも疲弊して、上手くいっていても辟易していたんですよ。
自分を大切にして尊重することができなかった。
「自分を尊重する」ということが、どういうことが全くわかっていなかったですね。
だから、センスダイアログを通して自分を整理しようとしていたのかもしれません。
これもやはり、今思えば整理ではなくて理解ですね。
自分の気持ちを整理して片付けてしまうのではなく、自分の感情は理解して大切にできるようになりました。
白木
Tさんにとってセンスダイアログはどんな体験でしたか?
Tさん
ただただ「そうだったんだ!」という積み重ねです。
無自覚だった自分を自覚していくプロセスです。
まさか自分には無いと思っていた感情、感覚、個性、能力に気づいていく驚き。
価値が無いと思っていたり、批判していた個性や性質が自分にもあると知る衝撃。
でも、どんな自分も受容れることが出来た時に感じる深い充足感。
落ち込んで、安心して、励みになる。
自分を認めていく積み重ねでした。
白木
8年もセンスダイアログを続けてこられた理由って何ですか?
Tさん
本来の自分が戻ってくる感覚が嬉しかったです。
自分がまだ知らない自分への好奇心と期待もあります。
でも、毎回セッションに行く時は嫌な気持ちです。
自分が否定して抑圧した自分に会いに行くのです。
最初に発見した時はがっかりする。
でも一方では、色々な自分を嬉しくも思う。
どんな自分も慈しめ、これまで感じたことが無い安心感や自由な感覚が嬉しいです。
白木
センスダイアログを大切に思って下さるのは何故ですか?
Tさん
私は美容師です。
例えば、くせ毛のお客様にその個性がどんなに素敵だと伝えても、本人がそう思わなければ、ただのくせ毛です。
直すもの、改善するもの、矯正するものになります。
今はとても優秀な薬剤ができ、多くの問題は解決されますが、同時に髪へのダメージが伴います。
もし、お客様がくせ毛を受容れ個性として活かすなら、髪への負担がなく健康を 保てます。
私がセンスダイアログでやってきたことと、全く同じだと思います。
例え私の課題を解決できる方法があったとしても、私自身へのダメージが伴う方法では意味がない。
私自身への負担がなく健康でいられるには、本来の自分を受容れ、活かすことだと実感しています。
根本的な部分に取り組まなければ、表面的なことをやり続けないといけない。
どんな良いアドバイスをもらっても、それを扱える「自分」がいなければ何にもならないですから。
