
白木
田口さんがセンスダイアログをスタートした時も、経営する美容室は順調でした。
何故、センスダイアログを始めようと思ったんですか?
田口
正直なところ、当時理由はよくわかっていませんでした。
ただ、「どんな人だろう?」って、白木さんにすごく興味があったんですよ。
仕事柄たくさんの人に出会いますが、白木さんは私が出会ったことがないタイプの人で。
だから、白木さんのやっていることに興味があった。
気晴らしくらいの感じだったかもしれません(笑)
白木
あとで知ったことですが、田口さんの美容室は、オープン時に1度きりしか広告宣伝をしてないんですよね。
その後10年間、1度も広告宣伝をしていない。
私はたまたま、その1回を情報誌で見たんです。
特別な美容室だなと、心に残っていました。
それから4年後にふと思い出して、髪を切りに行きました。
初めて美容室を訪れた時に、田口さんに私の職業を聞かれました。
2回目の来店時に、センスダイアログをやってみたいと言われたのです。
田口
センスダイアログをスタートした時は無自覚だったんですが、
セッションが始まってかなり経ってから、
その当時、私は限界だったことに気づきました。
これは、今だからわかることですが、
自分の内にある個性や能力の中で、気づいているものが少なかった。
だから、一部の能力で仕事を回している状態でした。
白木
私たちは自分のことを知っているようで、殆ど知らないですしね。
そして、自分を全体的に活かせるようになると楽になりますからね。
田口
でも自分では自分自身を理解できているし、上手く扱えている前提でいたんです。
結果も出ていたし。
例えば売り上げの目標に対して、自分をどう使うか。
そんな風に自分を扱っていたんです。
白木
「自分をどう使うか?」とはどういう意味ですか?
「自分を活かす」とはどう違うのですか?
田口
自分を道具化してたんですよ。
自分に冷酷だったなと。
だからいつも疲弊して、上手くいっていても辟易していました。
自分をちゃんと尊重するものだったと、今は思います。
当時は「自分を尊重する」って、どういうことが全くわかってなかったですね。
白木
明確な目的は分からなかったのに、センスダイアログによく取り組めましたね(笑)
田口
理由をつけるとすれば、センスダイアログをして自分を整理しようとしていたと思います。
これもやはり、今思えば整理じゃなくて、理解。
自分の気持ちを整理して片付けてしまうのではなく、
自分の感情は理解して、大切にできるようになりました。
白木
コーチングやカウンセリングなどは考えられなかったんですか?
田口
私にはカウンセリングは不要だと思っていました。
実際はどういうものかわかりませんが、プロの方の分析を聞くというイメージがあり、
他者の見解なら、私には必要ないなと。
変な話、白木さんは私にモヤっとさせて、内面を刺激し動かすんです。
そこが、自分を理解する入り口となるんですけど。

白木
田口さんにとって、センスダイアログはどんな体験でしたか?
田口
ただただ「そうだったんだ!」という積み重ね。
まさか自分にはないと思っていた個性や能力、感情や感覚に気づいていく驚き。
価値がないと思っていたり、よくないと思っていた個性や性質が私にもあることを知る衝撃。
でもその自分をダメじゃないと受け容れられる感覚の変化。
落ち込んで、安心して、励みになる。
自分を認めていく積み重ねでした。
白木
長い期間、センスダイアログを続けてこられた理由って何ですか?
田口
自分が戻ってくる感覚が嬉しかった、そう思います。
それから、自分がまだ知らない自分への期待と好奇心ですね。
でも、毎回セッションに行く時は嫌ですよ〜
自分が抑圧して、ないことにしてしまった自分に会いに行くんです。
発見すると嫌な気持ちになる。
ダメだと思って隠した自分だからです。
でも一方で、多様な自分を嬉しくも思う。
新しい自分を発見した時は、何だか嬉しい。
どんな自分も慈しめ、これまで感じたことがない安心感や自由な感覚が嬉しいですね。
白木
田口さんが、センスダイアログを大切に思ってくださっているのはなぜですか?
田口
私は美容師です。
例えば、くせ毛のお客様に、その個性がどんなに素敵だと伝えたとしても、
本人がそう思っていなければ、それはただのくせ毛です。
直すもの、改善するもの、矯正するものになります。
今はとても優秀な薬剤ができ、多くの問題が解決されますが、同時に髪へのダメージが伴います。
しかし、お客様がくせ毛を受け容れるなら、個性として活かすことができます。
髪への負担がなく、健康です。
私がセンスダイアログでやってきたことと、全く同じだと思います。
例え問題を解決できる方法があったとしても、私へのダメージが伴う方法では意味がない。
私自身への負担がなく、健康でいられるには、本来の私を受け容れ、活かすことだと実感しています。
白木
センスダイアログは自分自身と向き合うプロセスですが、お仕事にはどんな影響がありますか?
田口
ほぼ全部に影響しています。
個人的なことより、仕事面での成果の方がわかりやすかったですね。
もしセンスダイアログをしていなったら、美容室の経営を辞めていたと思います。
むしろ、辞めざるを得なかったと思います。
大げさじゃなく。
美容師としてというより、経営者として精神力を持ち続けることが難しい。
自分の中にある、枯れずにある美容に対する思いに気づき続け、
苦痛だとしか感じていなかったことが、大変だけれど喜びだと気づいた時、色々なことが変わっていく。
その時々に、スタッフとの関係性、家族との関係性、自分との関係性など向き合い、
効果的なことをやってこられたと思います。
ベストを尽くしてきました。
マーケティングとか売上とか、色々学ぶことはできますが、
根本的なことをやらなければ、表面的なことをいじり続けなくちゃいけない。
どんなアドバイスをもらっても、それを扱える「自分」がいなければなんにもならないんですからね。
【HAIR MODE 温戸】
美容室が苦手な人にとって、苦手なものがない美容室。
何気ないことが、とても大事にされています。
住所:愛知県岡崎市滝町本部41-31
TEL:0564-27-7277
HP:http://hairmode-ondo.com

