
白木
初対面のYさんは、とんでもなく緊張されていました。
私の伝える言葉が全く届かない、分厚い心の壁を感じました。
60歳を過ぎた現在もソフトボールを続けていますが、高校時代には全日本の選手として招集されるほど、優れたキャッチャーでした。
一流のキャッチャーは、打者を観察し、「構え」をみているだけでなく、バッティング理論を用いて、「構え」から見えてくるバッターの心理を読み取ると聞いたことがあります。
Yさん
私はずっと、人とどう接していいのかわかりませんでした。
友人もいますし、ソフトボールはチームプレーですからたくさんの人と関わります。
平気そうに振舞ってきましたが、ずっと悩んできました。
センスダイアログを通して自分を理解していくうちに、自分の磨いてきた資質がデメリットになっていたことがわかりました。
私はキャッチャーをしていた時と同様に、人が表現している言葉や行動から当たり前のように心理を読み取っていたのです。
セッションをしていく中で「意識と無意識の比率は1:99」と知りました。
私を含め、人間は「自分自身のことを、ほとんど知らない」ことがわかりました。
それを知らずに、私は自分が読み取ったことを、理解されると思い込み一生懸命相手に伝えたり
相手も自分が理解している範囲で一生懸命私に伝えていたのですね。
それが人間関係がギクシャクする原因だったのです。
人との関係の中で極端に自信を失くしたり、極端に自分の意見に自信を持ったり…
よく1人で泣いていました。
でも白木さんは、「Yさんの才能です。その才能を切り捨てなくていいですよ。」と言ってくれました。
その才能の本質を理解し、効果的に使えるようにすれば良いのだと。
センスダイアログは、教えてもらったことを理解するのではなく、ワークを行うので、スポーツのように身体感覚で理解できます。
白木
Yさんは、元々カウンセラーになりたいと思っていますからね。
その才能は宝物ですよ。
Yさん
これまでも人の役に立ちたいと、人の話を聞いてきました。
自分の体験を通して相手を導くことが正しいことだと信じてきたので
自分の学んだ正しさや理想を良かれと思って伝えてきました。
でもセンスダイアログを通して、自分自身の感情や感覚を大切にできるようになると
人が良かれと思って言ってくれることが、まるで自分が否定されているように悲しいのです。
本当に衝撃を受けました。これまで信じてきたことが、人にこんな影響を及ぼすのかと。
現在、私はセンスダイアログのナビゲーターを目指しています。
時間をかけて自分と向き合い、思い込みや価値観を手放していきたいと思います。
私の正しさや常識で導くのではなく、ご本人の才能を活かしご自身の人生を自分で選択できるよう
サポートできる存在になりたいと思っています。